
作業療法士とは?仕事内容から資格・就職情報まで徹底解説!
みなさん、作業療法士についてご存知でしょうか。
病院のリハビリ室で見かけることはあっても、具体的にどんな職業か知らない方が多いと思います。
ここでは、理学療法士・言語聴覚士とともにリハビリの現場で活躍する医療・福祉界のスペシャリストである、作業療法士について紹介しています。
作業療法士とは
リハビリテーション専門職の一つで、病気などで身体に障害を持った方や事故などで身体が不自由になった方に対して、身体的・精神的リハビリを行います。
略称では、OT(Occupational Therapist)と呼ばれます。
対象領域は大きく分けて、発達障害や身体障害、精神障害、老年期障害の4つです。
仕事内容
作業療法では、洗濯物を干す動作や料理の動作など日常的な動作や活動を取り入れています。
その他にも、織物、木工、書道、将棋、園芸、体操などさまざまなものが取り入れられます。
作業療法には、体に適度な負担をかけて関節や筋肉の動きをスムーズにしたり、精神的にリラックスさせたりする効果があります。
さらに、判断力や記憶力を鍛えることもできます。
作業療法士は患者さんや医師などと相談しながら、それぞれ患者さんに合ったプログラムを考えてリハビリを行います。
また、自助具の作成・改良や住宅改修の相談、福祉機器の利用に関する相談にも応じます。
職業実態
給料や待遇は場所によって異なり、一般的に病院は高く、福祉施設は低くなることが多いです。
派遣やパートとして働くこともでき、その場合の時給の相場は2,000円です。
作業療法士は医療職のため、初任給は他の職種に比べて高めですが、給料の額が伸び悩むことも多く、初任給が低いと全体的な所得も低くなります。
しかし、待遇が良いところが多く、週休二日のシフト制の職場がほとんどです。
・平均年収
3,897,400円
・平均月額給与
274,000円
・平均年間賞与
609,400円
・平均年齢
31.3歳
・平均勤続年数
4.8年
・平均労働時間
162時間/月
・平均超過労働時間
4時間/月
・主な勤務先
病院、福祉施設
やりがい
リハビリをしていく中で患者さんに変化がみられた時はもちろん、作業療法で学んでいく理論がカウンセリングなどで役立った時にやりがいを感じるという声を聞きます。
転職
作業療法士のほとんどが正社員として働いていますが、自分が本当に就職したい場所に就職できるまで、一時的に非常勤として働き、様子を見ながら転職活動する方もいます。
基本的に、正社員よりも非常勤の方が転職しやすいです。
適性
リハビリは長期間に及ぶこともあり、なかなか成果が出ないことも多く、根気や忍耐力が必要になります。
人と接するのが好きで、献身的であり、ポジティブな性格が望ましいでしょう。
今後
専門職であるため、就職状況は悪くありません。
しかし、作業療法士を目指す人は年々増加しており、条件の良いところに就職することは以前よりも厳しくなってきています。
作業療法士になるには
作業療法士国家試験に合格することが必要です。
作業療法士の養成課程がある大学、短大、専門学校で3年以上学び、所定の課程を修了することで受験資格を得ることができます。
注意点
合格発表が4月と遅いため、作業療法士になれるかどうかは実際に働き始めてから分かる場合がほとんどであることに注意してください。
試験に合格していれば問題ないのですが、仮に落ちてしまったときは、退職を余儀なくされてしまうこともあります。
試験に落ちた場合、次の年に受けて合格しなければ作業療法士になることはできません。
職場によっては、合格するまで働くことができる場所もありますが、全ての職場がそうであるとは限りません。
就職活動の時に、仮に落ちてしまった場合はどのように対処されるか聞いておくことをおすすめします。
試験科目
<一般問題>
解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む)、臨床医学大要(人間発達学を含む)及び作業療法
<実地問題>
運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む)及び作業療法
受験料
10,100円
合格率
受験者数は、新卒が4,656人、既卒は668人で比率にすると、新卒87.5%、既卒12.5%です。
合格率は新卒の方が高く、新卒85.5%、既卒21.6%となっています。
全体の合格率は、77.5%です。
まとめ
作業療法士になるためには膨大な勉強量が必要になりますが、その分たくさんの知識と技術が培われます。
いろいろな分野での作業療法を知っていると、リハビリにも多様性を出せるようになり、魅力的な作業療法士になれるでしょう。
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