
理学療法士とは?仕事内容から資格・就職情報まで徹底解説!
同じリハビリテーション専門職として、混同されやすい「作業療法士」と「理学療法士」ですが、違いをご存知でしょうか。
知らない方は、今すぐチェックしましょう。
ここでは、理学療法士の仕事内容や実態、資格について説明しています。
目次
理学療法士とは
リハビリテーション専門職の一つで、病気やケガにより、日常生活に支障をきたした方に対して、起き上がり、 立ち上がり、歩行などの基本的な動作能力の回復をはかる、 身体的リハビリに携わる職種です。
そのため、スポーツや整形外科などに関わることが多いです。
活動領域は作業療法士とほぼ同じですが、作業療法士との違いは身体に特化している点であり、そういった面では作業療法士よりも専門性が高いといえます。
略称はPT(Physical TherapistまたはPhysio Therapist)です。
仕事内容
手足の関節の動きを良くしたり、筋力を回復させたりする 「運動療法」、温熱や電気光線などの物理的な刺激を用いて、痛みの軽減などの治療を行う「物理療法」、 実際の動作が円滑に行えるように、動作を繰り返し練習する「日常生活活動訓練」などに加え、 車椅子や杖などの使用に関する助言なども行います。
理学療法の対象となる方は、高齢者からプロスポーツ選手と幅広く、多方面での活躍が期待されます。
職業実態
平均年収や平均年齢、平均勤続年数などは作業療法士と同じです。
理学療法士は一般的な職業と比較して、昇給の上がり幅が小さい傾向があるため、就職場所によっては昇給をあまり期待できないこともあります。
平均年収
3,897,400円
平均月額給与
274,000円
平均年間賞与
609,400円
平均年齢
31.3歳
平均勤続年数
4.8年
平均労働時間
162時間/月
平均超過労働時間
4時間/月
主な勤務先
最も多いのは病院です。
その他、リハビリテーションセンターや老人ホーム、障害者施設、保健所、福祉関連相談所などもあります。
少数ですが、スポーツ選手を専門にした理学療法士もいます。
働きやすさ
早番や遅番という働き方がある職場もありますが、日勤がほとんどで、夜勤はありません。
施設や病院の休日である日曜と祝日が休みであることも多いようです。
さらに、個人情報の関係から仕事を家へ持ち帰ることができないので、家でも仕事をしなくてはいけないという状況がありません。
基本的に残業がないため働きやすいといえます。
離職
結婚や子育てなどで離職し、フルタイムで職場に復帰するのは自信がないという方には、理学療法士のアルバイトをおすすめします。
時給は、一般的なアルバイトよりも高めです。
適性
人のために何かをしたいと思える気持ちや、誰かのために一生懸命になることができる姿勢が大切です。
また、通常であれば気のせいだと思われてしまうような動きや症状に対して、一歩踏みとどまり考えることも必要になります。
細かなことにもひとつひとつ向き合える性格が望ましいでしょう。
今後
高齢化の進展に伴い、介護予防のリハビリや訪問リハビリなども広がってきているため、ニーズは増えています。
スポーツ分野でも、理学療法の手法を取り入れたケガの応急処置やコンディショニングに目を向けるチームや選手が徐々に増えており、新たな活躍の舞台として期待されています。
理学療法士になるには
理学療法士は名称独占資格であり、「理学療法士」と名乗るには資格が必要となります。
理学療法士の国家試験を受験するには、高校卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した養成施設で3年以上学ぶことが必要になります。
養成施設には4年制の大学、3年制の短大、3年制または4年制の専門学校があります。
これらの学校で、解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学などを講義と実習を通して学びます。
4年制と3年制のどちらを選べばよいか
4年制の大学・専門学校のメリットは、ゆとりをもって国家試験に必要なカリキュラムや幅広い領域について学べる点です。
また、理学療法の分野では研究者のニーズもあるため、将来的に大学院を目指すのであれば4年制が望ましいです。
4年制専門学校でも大学院入学資格を得ることができます。
3年制の短大・専門学校はのメリットは、4年制より早く社会に出られる点や学費の総額が安く収まる点です。
試験科目
<一般問題>
解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む)、臨床医学大要(人間発達学を含む)及び理学療法
<実地問題>
運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む)及び理学療法
受験料
10,100円
合格率
以前は90%前後で推移していましたが、近年下がりつつあります。
また、応募者が増え、また理学療法士の数も増えてきていることで、理学療法士の試験の難易度がだんだんと上がってきている傾向もあります。
平成26年の理学療法士国家試験の受験者数は、新卒が10,360人、既卒が1,675人で比率にすると、新卒86.1%、既卒13.9%です。
合格率は新卒の方が高く、新卒89.1%、既卒42.9%となっています。
全体の合格率は、82.7%です。
まとめ
身体が不自由な方や高齢者、さらにはスポーツ選手にも理学療法士は必要な存在です。
リハビリの現場では、言語聴覚士や作業療法士とともに活躍しています。
また、活動の幅が広く将来性もあり、働きやすい職種でもあります。
理学療法士を目指してみてはいかがでしょうか。
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