【2016年度版】高齢者対象在宅介護徹底ガイド

長寿社会において、介護は誰にでもどの家庭にでも起こり得る、全ての人の課題です。

要介護者の発生率は、40~64歳では0.4%、65~69歳では2.9%ですが、加齢とともに急速に高まり、80~84歳では29.6%、85歳以上では59.6%となっています。
ここでは、高齢者の在宅介護について説明しています。

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介護保険制度と対象者

私たちは40歳になると、被保険者として介護保険に加入します。

また、65歳以上の方は、市区町村(保険者)が実施する要介護認定において介護が必要と認定された場合、いつでもサービスを受けることができます。                           

40歳〜64歳までの人は、介護保険の対象となる特定疾病により介護が必要と認定された場合に、介護サービスを受けることができます。

 

介護保険の対象者

40歳以上の人は介護保険の被保険者になります。

①65歳以上の人(第1号被保険者)

②40~64歳までの医療保険に加入している人(第2号被保険者)

 

介護保険サービスを利用できる人

<65歳以上の人>(第1号被保険者)

寝たきりや認知症などにより、要介護状態になったり、家事や身じたくなどで要支援状態になったりした場合。

<40歳~64歳までの人>(第2号被保険者)

初老期の認知症や脳血管疾患など老化が原因とされる病気(特定疾病)により、要介護状態や要支援状態になった場合。

特定疾病とは、筋萎縮性側索硬化症、後縦靭帯骨化症、骨折を伴う骨粗しょう症、多系統萎縮症、初老期における認知症、脊髄小脳変性症、糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症、早老症、脳血管疾患、進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病、閉塞性動脈硬化症、慢性関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患、脊柱管狭窄症、両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症、末期がんの16つです。

 

介護給付や予防給付を受けるためには、要介護・要支援認定を受ける必要があります。

 

オススメの外部サービス

サービスを受けるには、お住まいの市区町村の窓口で要介護認定の申請をする必要があります。

 

~介護の相談・ケアプラン作成~

 

居宅介護支援

利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるように、ケアマネジャーが利用者の心身の状況や置かれている環境に応じた介護サービスを利用するためのケアプランを作成し、そのプランに基づいて適切なサービスが提供されるよう、事業者や関係機関との連絡・調整を行います。

居宅介護支援は、特定のサービスや事業者に偏ることがないよう、公正中立に行うこととされています。

利用者負担はありません。

 

ケアプラン作成の流れ

①アセスメント

ケアマネジャーが利用者の自宅を訪問して利用者の心身の状況や生活環境などを把握し、課題を分析します。

 

②話し合い

ケアマネジャーと利用者・家族・サービス提供事業者で、利用者の自立支援に資するサービスの検討を行います。

 

③ケアプラン作成

課題や話し合いをもとに、ケアマネジャーと一緒に利用するサービスの種類や回数を決め、サービス利用の手続きを行います。

 

④介護サービス利用スタート

サービス事業所と契約し、ケアプランに基づいてサービス利用がスタートします。

 

※要支援の方のケアプランは地域包括支援センターが作成します。

 

~自宅に訪問~

 

夜間対応型訪問介護

24時間安心して生活できるように、夜間帯に訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問します。

定期巡回と随時対応の2種類のサービスがあります。

定期巡回では、夜間帯(18~8時)に定期的な訪問を受け、排泄の介助や安否確認などのサービスを受けることができます。

随時対応では、ベッドから転落して自力で起き上がれない時や夜間に急に体調が悪くなった時などに、訪問介護員(ホームヘルパー)を呼んで介助を受けたり、救急車の手配などのサービスを受けることができます。

要支援1・2と認定された方は利用できません。

 

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期的な巡回や随時通報への対応など、利用者の心身の状況に応じて、24時間365日必要なサービスを必要なタイミングで柔軟に提供します。

また、サービスの提供にあたっては、訪問介護員だけでなく看護師なども連携しているため、介護と看護の一体的なサービス提供を受けることもできます。

要支援1・2と認定された方は利用できません。

 

訪問入浴介護

利用者の身体の清潔の保持、心身機能の維持回復を図り、利用者の生活機能の維持又は向上を目指して実施されます。

看護職員と介護職員が利用者の自宅を訪問し、持参した浴槽によって入浴の介護を行います。

 

訪問介護

訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの介護(身体介護)や、掃除・洗濯・買い物・調理などの生活の支援(生活援助)をします。

通院などを目的とした乗車・移送・降車の介助サービスを提供する事業所もあります。

 

訪問看護

利用者の心身機能の維持回復などを目的として、看護師などが疾患のある利用者の自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助を行います。

血圧・脈拍・体温などの測定、病状のチェック、排泄・入浴の介助、清拭・洗髪、在宅酸素・カテーテル・ドレーンチューブの管理、褥瘡の処理、リハビリテーション、在宅での看取りを行います。

 

訪問リハビリテーション

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが利用者の自宅を訪問し、心身機能の維持回復や日常生活の自立に向けたリハビリテーションを行います。

 

~施設に通う~

 

通所介護

自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。

利用者が通所介護の施設(デイサービスセンターなど)に通い、施設では、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供します。

生活機能向上グループ活動などの高齢者同士の交流もあり、施設は利用者の自宅から施設までの送迎も行います。

 

通所リハビリテーション(デイケア)

利用者が通所リハビリテーションの施設(老人保健施設、病院、診療所など)に通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供します。

 

療養通所介護

常に看護師による観察を必要とする難病、認知症、脳血管疾患後遺症等の重度要介護者又はがん末期患者を対象にしたサービスで、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。   

利用者が通所介護の施設に通い、施設では食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供します。

利用者の自宅から施設までの送迎も行います。

 

認知症対応型通所介護

認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービスで、認知症の利用者が通所介護の施設(デイサービスセンターやグループホームなど)に通い、施設では食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供することにより、自宅にこもりきりの利用者の社会的孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。                               

施設は利用者の自宅から施設までの送迎も行います。

 

~通所・宿泊・訪問を組み合わせる~

 

小規模多機能型居宅介護

利用者の選択に応じて施設への通いを中心として、短期間の宿泊や利用者の自宅への訪問を組合せ、家庭的な環境と地域住民との交流の下で日常生活上の支援や機能訓練を行います。

食費・宿泊費・おむつ代といった日常生活費などは、別途負担する必要があります。

 

複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)

利用者の選択に応じて施設への通いを中心として、短期間の宿泊や利用者の自宅への訪問介護に加えて、看護師などによる訪問看護も組み合わせることで、家庭的な環境と地域住民との交流の下で、介護と看護の一体的なサービスの提供を受けることができます。

要支援1・2と認定された方は利用できません。

 

~短期入所~

 

短期入所生活介護(ショートステイ)

自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。            介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などが、常に介護が必要な方の短期間の入所を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練などを提供します。

連続利用日数は30日までです。

 

短期入所療養介護

療養生活の質の向上及び家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。   

医療機関や介護老人保健施設が、日常生活上の世話や、医療、看護、機能訓練などを提供します。

連続利用日数は30日までです。

 

高齢者在宅介護の注意点

高齢になると、身体機能の衰えによって、体にさまざまな変化がおこってきます。

ここでは、高齢者在宅介護で気をつけたいことを紹介してます。

 

・誤嚥

高齢になると飲み込みにくくなり、食べ物が気管に入ってしまう誤嚥をたびたび引き起こします。

高齢者の死因の上位にあげられる誤嚥性肺炎の原因となりますので、特に注意が必要です。

食材を細かく刻んだり、とろみ剤を使ったりすることをおすすめします。

水分も適度にとるようにしましょう。

高齢者には、1日2Lの水分が必要です。

また、食べる姿勢も重要です。

テーブルに対して直角に腰かけ、首はやや前傾している姿勢が最も誤嚥を引き起こしにくいとされています。
他にも、安定した姿勢を取れているか、背中が左右に曲がっていないか、テーブルと腹部の距離は適切か、足は両足とも床に着いているかを確認します。

姿勢が不安定な場合は、イスの背中や腰まわりにクッションなどを入れて安定させます。

・排泄

夜間の排泄を心配な場合は、就寝3時間前から水分摂取を控えるようにすると、夜間に響くことは少ないです。

ベッドの汚れが心配な場合は、汚れ予防として防水シーツを使うことをおすすめします。

 

・廃用症候群

長期的に安静状態でいると、身体機能が低下してしまうことを廃用症候群といいます。

特に高齢者の場合は、筋力が衰えるスピードが早いため、注意が必要です。

使わない機能ほど早く衰えていきます。

ベッドから起き上がっている時間を長くしたり、動かせる体の部位をできるだけ動かしたりするだけでも予防できます。

 

高齢者在宅介護で知っておくべき2つの事

介護者なら知っておきたい、ボディメカニクスとレスパイトについて紹介しています。

 

ボディメカニクス8原則

介護者の8割が腰痛や肩こりに悩まされているという調査結果があるくらい、介護には身体的負担がつきものです。

そこで、知っておきたいのが「ボディメカニクス」です。

ボディメカニクスとは、力学的原理を活用した介護技術のことで、これを活用することで介護者は無理のない姿勢を保ちつつ、最小の労力で介護ができます。

身体的負担が軽減されるため、腰痛の防止につながるのです。

では、ボディメカニクスの8原則を見ていきましょう。

 

1.支持基底面積を広くとるほど身体は安定する
支持基底面積を広くとるために、介護者は両足を左右、前後に広めに開きましょう。

 

2.介護される者と介護者の重心を近づける
介護される者と介護者の重心が近いほど移動がしやすくなります。
また、身体を密着させると余分な力がいりません。

3.大きな筋群を使い、水平移動を使う
身体全体の筋肉に力を配分し、腕だけなど一つの筋群だけに緊張を集中させないようにします。

 

4.体を小さくまとめる
介護される者の腕や足を組み、身体がベッドなどに摩擦する面積を少なくすることで力の分散を防ぐことができます。

 

5.介護される者を手前に引く
押すより引くほうが力を分散させず、少しの力で済みます。

6.介護者の重心移動で介護される者を動かす
背筋を伸ばし、膝の屈伸を使うと腰を痛めません。
足先を重心移動する方向に向け、膝の屈伸で重心を移すと骨盤が安定し、スムーズで安定した移動になります。

 

7.身体をねじらず、肩と腰を平行に保つ
不自然に脊柱を曲げたりねじったりすると姿勢が不安定となり、力が出せないと同時に腰痛の原因にもなります。

8.てこの原理
支点・力点・作用点のある状態で、小さい力が大きい力に変わる原理です。
ベッドサイドに膝を押しつけるなど、膝や肘をてこの支点とすることで、効率的な動作が可能になります。

介護者のレスパイト

レスパイトとは、息抜き・休憩という意味です。

介護疲れにならないために、介護者は適度に息抜きすることが必要です。

短期入所施設を利用するなどして、ゆっくりできる時間を作り、心身ともにリフレッシュすることも大切です。

 

まとめ

初めて介護をする方にも、そうでない方にも、介護には根気がいるものです。

在宅介護において大切なことは、家族だけで負担を抱えこまないことです。

さまざまなサービスを活用することで負担は大幅に軽減できます。

サービスに頼ることも忘れないでください。

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