
食事介助に関して知っておくべき8つのポイント
食事は空腹を満たすだけでなく、楽しみの一つでもあります。楽しい食事は栄養素の吸収と消化を良くし、心身の健康につながります。
ここでは、食事介助の際にチェックすべきことや食べさせ方のポイントなどについて紹介しています。
目次
食事介助の際にチェックすべき8つのこと
安全に食事ができるように以下の8つを必ず確認しましょう。
①身体状態
顔色や食欲について普段と違うことはないか確認しましょう。また、胃腸や口腔内の調子についても利用者に確認しましょう。
②食事の前に排泄を促す
おむつの場合、排泄があったら取り替えます。
③室内の環境
座る場所が一定であると安心して食事できます。
換気し室温に配慮しましょう。また、食べ物がよく見えるように照明にも配慮しましょう。
認知症の方がいる場合は、誤飲しないように室内をよく片付けておきましょう。
④食事の姿勢
できるだけ離床して食べるようにしましょう。
座って食事をとる場合は、テーブルやイスの高さを調節します。テーブルはひじの高さにします。
寝たままの状態で食事をとる場合は、できるだけ上半身を高くしタオルやクッションなどを当て安定させ飲み込みやすい姿勢にします。このようにすることで誤嚥を防止できます。
嚥下障害のある方は、顎を引きやや前屈みになると飲み込みが楽になります。
⑤食べやすさの確認
柔らかさや大きさ、形、温度は食べやすい状態であるか確認しましょう。また、魚の骨はあらかじめ取り除いたり、料理の温度は利用者に手の甲で確認してもらったりし、危険防止に努めましょう。とろみをつけたものは冷めにくいため、特に注意が必要です。
⑥入れ歯の確認
入れ歯を使用している利用者には、入れ歯が口に合っているか確認します。合っていない場合、食べ物を刻みにするなど食事形態を変えることも必要です。
⑦食器の確認
障害に合わせて使いやすいコップやスプーンを選びましょう。
⑧食事にかかる時間や水分摂取量、食べ残しの様子
医師や看護師が関わっている場合は必ず連絡しましょう。
食べさせ方の3つのポイント
ここでは基本的なポイントを紹介しています。
障害や認知症のある方にはそれぞれの状態に合わせて介助を工夫しましょう。
①食べるペースは利用者に合わせる
誤嚥は肺炎や呼吸困難などにつながることがあります。利用者のペースでよく噛んで食べるように見守りましょう。また、食べている時は声をかけないようにし、飲み込みを確認しましょう。
②1回に口に入れる量はスプーン1杯程度
スプーンの大きさは口の開け具合によって選びましょう。
また、スプーンを歯茎や歯に当てないように気をつけましょう。
③水分の多いもの口角から少量ずつ
水分の多いものはむせやすいため、口角から少量ずつ入れて飲むように介助します。
片麻痺がある方の場合、麻痺のない口角から飲ませます。
視覚障害のある方への食事介助
視覚障害のある方へは声がけが重要です。そこで、覚えておくべきなのが「クロックポジション」です。クロックポジションとは、物の配置場所や方向を時計の文字盤に例えて伝える手段です。「あなたから見て3時の方向に〇〇があります。」というように説明すると分かりやすいです。また、毎回同じように料理を配置するとどこに何があるか把握しやすいです。
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