1億総活躍社会の基礎情報と福祉の関係性とは
安倍政権は1億総活躍社会を実現するため「新・三本の矢」を放ち、アベノミクスは第2ステージに突入しました。
そして、具体的な対策として「ニッポン1億総活躍プラン」を発表しました。
ここでは、新・三本の矢とニッポン1億総活躍プランについて解説しています。
【新・三本の矢とは】
これまでの三本の矢は、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「投資を喚起する成長戦略」でした。
この三本の矢は順調に成果を上げ、企業の経常利益は過去最高水準の19.2兆円となり、賃上げ率は2年連続で前年を上回り、有効求人倍率は23年ぶりの高水準の1.24倍となり、デフレ脱却まであと少しのところまで来ました。
経済は回復し始めましたが少子高齢化による不安は依然として解消されておらず、待機児童問題や自分や家族の介護への悩みは尽きません。
そこで登場したのが「新・三本の矢」です。
内容は以下の通りです。
〇第一の矢:希望を生み出す強い経済
子育て支援・社会保障の基盤強化し、GDP600兆円を目指す。
〇第二の矢:夢をつむぐ子育て支援
希望出生率1.8人を目指す。
※現在の日本の出生率は1.4人である。
〇第三の矢:安心につながる社会保障
介護離職ゼロを目指す。
※家族の介護・看護を理由とした離職・転職者は2011年10月~2012年9月で10.1万人となっており、介護と仕事の両立が難しいことが分かる。
【ニッポン1億総活躍プランとは】
50年後も人口1億人を維持し、誰もが家庭や職場、地域で活躍できる、1億総活躍社会を実現するための中長期計画が「ニッポン1億総活躍プラン」です。
新・三本の矢のうち緊急に実施すべきである、「希望出生率1.8の実現」と「介護離職ゼロ」の2つに重点を置いています。
福祉分野にとっては、保育と介護に踏み込んだ革命的な計画といえるでしょう。
主な内容は以下の通りです。
・保育士の賃金を月平均6,000円引き上げるほか、職務経験に応じて最大約4万円を上乗せする。
・2017年度から介護職員の賃金を月平均1万円引き上げ、介護離職ゼロを目指す。
・2017年度までに保育の受け皿を40万人から50万人分に拡大し、企業内保育所や小規模保育所の定員を増やす。
・2018年度までに学童保育の受け皿を約120万人分を確保する。
・最低賃金を年率3%程度を目途として名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げ、国加重平均1,000円の最低賃金を目指す。
・2018年度中に同一労働・同一賃金を実現するため、関連する労働契約法・パートタイム労働法・労働者派遣法の3つを一括改正し、2019年度の施行を目指す。
・労働基準法の時間外労働規制のあり方を再検討し、労働基準監督署が立ち入り調査に入る目安である1ヶ月の残業時間数を80時間に引き下げる。
・無利子奨学金の受給要件である、子どもの成績基準を大幅に緩和する。
・返済不要の奨学金の創設を検討する。
・卒業後の所得に応じて返済額を減らす、所得連動型の奨学金を導入する。
・人工知能やIoT、ビッグデータの技術開発を支援する。
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