介護職の実態まとめ:雇用形態~給与内容まで

これから介護の現場で働きたいという方も転職を考えている方も、職場を探す前に知っておくべき介護職の実態をまとめました。

 

【介護職の雇用形態】

雇用形態には正社員、契約社員、派遣、パート・アルバイトの4つがあります。メリットとデメリットを踏まえた上で、自分の生活に合った働き方をすることが大切です。

 

①正社員

未経験や無資格でも、正社員として募集を行っている職場もあります。

職場によって各種手当や昇給、賞与、退職金などの待遇は異なるものの、月給17~20万円程度からスタートすることが多いです。

多くの場合、シフト制での勤務となります。

 

<メリット>

・定年まで働き続けることが可能

・キャリアアップやキャリアチェンジが可能

・昇進や賞与などがある

・福利厚生などが充実している場合が多い

<デメリット>

・職務上の責任が重い

・休暇がとりにくい

・休日出勤もあり得る

・職場によっては転勤など勤務地の変更がある

 

②契約社員

契約社員は業務内容を限定して契約期間を定めた雇用契約を使用者と結びます。

契約期間は基本的には最長で3年間、高度の専門的知識を有する者と60歳以上は最長5年までとなっています。

 

<メリット>

・転勤がない

・勤務地が選べるなど自分の生活に合った条件で就業できる

・賞与が支給される職場もある

・正社員への登用のチャンスがある

<デメリット>

・契約期間が決まっているため、続けたいと思っても契約終了となる場合がある

・昇給や退職金がない場合が多い

 

③派遣

派遣社員は雇用契約を派遣会社と結んで、派遣会社と契約を交わしている派遣先で仕事をします。

未経験の場合、時給1,000円前後からスタートすることが多いです。

紹介予定派遣として、正社員への登用を前提とした募集もあります。

 

<メリット>

・1日や1ヶ月だけなど、短期間でも仕事ができる

・直接雇用に比べて、若干時給が高いこともある

・異動や転勤がない

<デメリット>

・希望条件に合った仕事が常にあるわけではない

・契約期間が決まっているため、続けたいと思っても契約終了となることがある

・交通費や賞与、退職金がないことが多い

・契約で決まった仕事しかできない

・即戦力を求められる傾向がある

 

④パート・アルバイト

パートとアルバイトに大きな違いはありません。

長期にわたって同じ職場で働く方も多くいます。

賃金の相場は時給800~1,500円です。経験や資格、業務内容によって幅があります。

 

<メリット>

・自分の生活に合わせて勤務日数や時間を選択できる

・サポート的な仕事が多く、大きな責任は問われない

<デメリット>

・昇給や賞与、退職金がないことが多い

・スキルアップやキャリアアップが難しい

・社会保険・雇用保険の適用から外れる場合がある

・福利厚生が充実していない場合がある

 

【給料事情】

ここでは職種別に直接雇用と派遣の給料の全国平均を示しています。

 

<介護職・ホームヘルパー>

・直接雇用

年収:279万円

月給:19万円

時給:1086円

・派遣

年収:281万円

月給:20万円

時給:1169円

 

<ケアマネジャー>

・直接雇用

年収:319万円

月給:24万円

時給:1387円

・派遣

年収:342万円

月収:24万円

時給:1311円

 

<看護職>

・直接雇用

年収:374万円

月給:26万円

時給:1554円

・派遣

年収:399万円

月給:26万円

時給:1772円

 

<リハビリ関係職>

・直接雇用

年収:359万円

月給:24万円

時給:1592円

・派遣

年収:346万円

月給:24万円

時給:1652円

 

<生活相談員・福祉用具専門相談員>

・直接雇用

年収:303万円

月給:21万円

時給:1039円

・派遣

年収:312万円

月給:21万円

時給:1172円

 

<サービス提供責任者>

・直接雇用

年収:314万円

月給:22万円

時給:1043円

・派遣

年収:305万円

月給:22万円

時給:1242円

 

<施設長・ホーム長・理事長・所長>

・直接雇用

年収:461万円

月給:26万円

・派遣

年収:392万円

月給:26万円

 

<調理・清掃・リネン関係職>

・直接雇用

月給:17万円

時給:879円

・派遣

時給:918円

 

<保育・教育関係職>

・直接雇用

年収:301万円

月給:23万円

時給:1714円

・派遣

月給:20万円

時給:1169円

 

<介護事務・医療事務>

・派遣

時給:1097円

月給:16万円

 

【平均年齢と男女比】

職種別に平均年齢と男女比を示しています。

ここでいう正規職員は正社員・正職員、非正規職員はパート・アルバイト、契約社員、派遣社員などを指しています。

 

<ホームヘルパー>

平均年齢:51.5歳

男性8%、女性92%

正規職員18%、非正規職員80%、不明2%

 

<サービス提供責任者>

平均年齢:46.8歳

男性12.5%、女性87.5%

正規職員77%、非正規職員20%、不明3%

 

<介護職>

平均年齢:42.0歳

男性25%、女性75%

正規職員57%、非正規職員42%、不明1%

 

<看護職>

平均年齢:48.1歳

男性5%、女性95%

正規職員56%、非正規職員42%、不明2%

 

<ケアマネジャー>

平均年齢:47.4歳

男性21%、女性79%

正規職員80%、非正規職員17%、不明3%

 

<生活相談員・支援相談員>

平均年齢:40.3歳

男性41%、女性59%

正規職員84%、非正規職員13%、不明3%

 

<リハビリ関係職>

平均年齢:37.3歳

男性47%、女性53%

正規職員70%、非正規職員29%、不明1%

 

<管理栄養士・栄養士 >

平均年齢:39.1歳

 

<福祉用具専門相談員>

平均年齢:43.8歳

 

【職場選びのポイント】

同じ介護の現場でも、施設ごとに特徴があります。自分に合った職場を見つけることが大切です。

 

<特別養護老人ホーム>

・医師・看護師が常駐しており、医療的な不安が少ない

・介護度の高い人が多いため、技術向上が期待できる

 

<介護老人保健施設>

・リハビリ関係職や看護職がいるため、ケアへの多様なアプローチを学べる

・職務範囲が明確であるため、医療行為を避けて介護業務に専念できる

 

<グループホーム>

・夜勤人員が少ない(9名に対して1人)ため、緊急対応時の判断力が求められる

・少人数のため、アットホームな雰囲気である

 

<介護付有料老人ホーム>

・民間企業が多く、昇給・昇格やキャリアプランが分かりやすく決まっている

・人員配置が介護保険施設より多めになっていることが多い

 

<住宅型有料老人ホーム>

・食事サービスなど日常的な生活支援のみを行うため、ゆったりとしている

・専従のスタッフが少なく、業務量が多くなることもある

 

<サービス付き高齢者向け住宅>

・自立度の高い方を対象としている場合、主な業務は安否確認であるため介護をする必要がない

・要介護者を対象としている場合、建物内に訪問介護事業所が併設されており、介護する必要がある

 

<訪問介護事業所>

・時間単位で動くことができる

・基本的に一人で訪問するため、緊急時には判断力が求められる

 

<ショートステイ>

・基本的には介護度の高い人が少ない

・利用者の入れ替わりが激しく、事務処理の作業も多い

 

<デイサービス>

・夜勤がなく、日曜日が休みの施設が多い

・曜日によって利用者が異なるため、状態把握能力が求められる

・送迎業務を行う施設がほとんどであり、運転免許が必須であることが多い

 

<小規模多機能型居宅介護>

・訪問看護と訪問リハがあるため、介護知識の幅を広げることができる

・在宅であるものの、夜勤がある

 

<地域包括支援センター>

・主な業務が相談業務や地域の状況把握であり、リーダーシップが求められる

・福祉や医療全般の知識が求められる

 

【各経営母体の特徴】

経営母体には医療法人、社会福祉法人、宗教法人、特定非営利活動法人、協同組合、財団法人、社団法人、株式会社の8つがあり、それぞれ特徴があります。職場を選ぶ参考にしてみてください。

 

<医療法人>

理事の中に必ず1名以上の医師がいます。

医療を提供することによって利益を得ていますが、全ての人に公平な医療提供を行うため、利益追求はしてはならないことになっています。

医療・介護・リハビリ等の連携が充実しており、職務範囲も明確です。

 

<社会福祉法人>

社会福祉と関係のある公益を目的とする事業のみを行っています。

「自治体との関係を築いていきたい」、「やりがい重視を重視したい」、「営業的側面を持たずに介護や福祉をやっていきたい」という方に向いています。

 

<宗教法人>

宗教上の死生観や人道支援の観点から介護事業を行っており、宗教色が強い傾向があります。また、心や終末期のケアを重視しています。

自分の信仰する宗教に合った法人か、その法人の宗教に対して拒否感を抱いていないかを見極めることが大切です。

 

<特定非営利活動法人(NPO法人)>

社会貢献活動を目的に設立されているため、利益は社会貢献を行うために必要な分だけ生むことができます。また、地域ボランティアのネットワークを構築していることが多いことも特徴の一つです。

給料は他の法人に比べて低いですが、ボランティア精神がある方はやりがいを感じられるでしょう。

 

<協同組合>

地域での知名度や信頼を得ており、安定感があります。

主に組合員に対してサービスを行っています。

 

<財団法人>

公益財団法人と一般財団法人の2つがあります。公益財団法人には事業に公益性がありますが、一般財団法人にはありません。

企業理念とは別に設立者の業績や偉業に対する念が、運営に色濃く反映されていることもあります。

 

<社団法人>

公益社団法人と一般社団法人の2つがあります。公益社団法人には事業に公益性がありますが、一般社団法人にはありません。

社会的信用が高いため、利用者の信頼を得やすいです。

 

<株式会社 >

介護業界では有料老人ホームの運営やデイサービス、訪問介護などを行っていることが多いです。

福利厚生や給与の制度が整っており、人事評価や売り上げが給与に反映されやすい傾向があります。また、企業によっては営業色が強いところもあります。

 

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