しっておくべき4種類の認知症と症状一覧

誰もが加齢に伴って人の名前をすぐに思い出せなくなったり、物をどこにしまったか忘れたりするものです。しかし、認知症は加齢によるもの忘れとは違い、脳の働きが徐々に低下する病気です。ついさっきのことが思い出せない、日付けや曜日が分からない、言葉が出てこない、物の使い方が分からなくなるといった症状が現れ、以前のように日常生活を送ることが困難になります。

認知症とはどんな病気なのかを知り、対応の仕方や介護に対する理解を深めましょう。

ここでは、認知症の中でも多いアルツハイマー型認知症、脳血管型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症の4タイプについて解説しています。

 

【アルツハイマー型認知症】

認知症患者の約6割がこのアルツハイマー型認知症であり、特に女性に多く見られます。

 

<原因>

アミロイドβやタウと呼ばれるタンパク質が脳に溜まることで、神経細胞が変化・脱落し脳が委縮することが原因と考えられていますが、はっきりとした原因はまだ分かっていません。

 

<症状の特徴>

いつの間にか始まり、時間とともに緩やかに進行していく特徴があります。人によって進み方や症状の現れ方は様々です。

 

〇軽度

・同じ話や質問を繰り返すようになる

・数分前の出来事を思い出せなくなる

(例:夕食の内容ではなく食べたこと自体を忘れる)

・今までできていたことができなくなる

(例:料理の手順や味付けが分からなくなる)

 

〇中等度

・季節に合った服を選べなくなる

(例:冬なのに半袖で出かけようとする)

・同じ物をたくさん買い込むようになる

・家族の名前を忘れる

 

〇高度

・着替えや入浴を拒むようになる

・家族の区別がつかなくなる

・一人で着替えられなくなる

 

【脳血管型認知症】

認知症患者のうち約2割がこの脳血管型認知症であり、アルツハイマー型認知症に次いで2番目に多いタイプであり、男性に多いです。良くなったり悪くなったりを繰り返しながら進行していきます。

 

<原因>

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳血管の病気で脳の血管が詰まったり出血したりすることによって、脳細胞に酸素が送られなくなり、神経細胞が死ぬことが原因で起こります。脳血管の病気の後遺症ということになります。

 

<症状の特徴>

初期には変動が激しい意欲低下や自発性低下、夜間の不眠や不穏が目立ちます。また、影響を受ける脳の部位が限られているため、できることとそうでないことがはっきりしていることが特徴です。

非常に小さな脳梗塞や脳出血が起こった場合は自覚症状がないこともあり、ふらつきやめまい程度であまり気がつかないことがあります。

中期以降は発作が起こる度に症状が段階的に重くなります。この頃からまだら認知症がみられるようになります。

主な特徴は以下の通りです。

 

①まだら認知症がある

脳に障害が起きている場所とそうでない場所があることや、脳の血流の状態の善し悪しが原因で、物事ができたりできなかったりする症状をまだら認知症といいます。

例えば、物忘れが目立っていても判断力や理解力などは低下していなかったり、朝起きた時には自分ではできなかった着替えがお昼を過ぎた頃にはできたりすることもあります。

 

②感情失禁が起こりやすい

感情のコントロールができず、ちょっとしたことで泣いたり、怒ったりします。

また、うつ傾向にあり表情が乏しくなることもあります。

 

③その他

意欲の低下やめまい、しびれ、麻痺などもみられることがあります。

 

【レビー小体型認知症】

男性に多いタイプの認知症で、発症率は女性より約2倍高いです。

 

<原因>

レビー小体とは神経細胞にできるタンパク質で、これが脳の大脳皮質や脳幹にたくさん集まることで神経細胞が壊れ減少し、神経を上手く伝えられなくなることが原因で発症します。

 

<特徴的な症状>

以下の5つのような症状がみられます。

 

①幻視

初期の段階から幻視がみられます。幻視とは、実際には存在していないものが見える症状です。具体的には、「壁に虫が這っている」、「枕元に子どもが座っている」といったものが比較的よくみられます。その他にも「布団が人の姿にみえる」といった錯視もしばしばみられます。このような視覚性の認知障害は暗くなると現れやすくなります。また、気分や態度の変動が大きく、穏やかな状態から無気力状態や興奮、錯乱といった症状を一日に数回繰り返したり、日中に惰眠をむさぼったりすることもあります。

 

②運動機能障害

パーキンソン病に似た歩行の障害や体の固さを伴います。そのため転倒のリスクが高く、寝たきりにもなりやすいです。

 

③自律神経障害

自律神経の障害を伴う点も特徴の一つです。具体的には便秘や尿失禁、起立性低血圧などがみられます。

起立性低血圧とは、立ち上がった時に血圧の大幅な低下がみられることです。ひどい場合には失神を起こす場合があり、これが原因で立位歩行が困難になることもあります。

 

④誤認妄想

まだ自分は働いていると思っていたり、まだ自分は若くて子どもも小さいと思っていたりします。また、自宅を自分の家ではないと思ったり、家族の顔が分からなかったり、家族が他人と入れ替わっていると訴える場合もあります。

 

⑤うつ・レム睡眠行動障害

初期の段階からうつのような症状が見られることが多く、うつ病と間違えられる場合もあります。その他にも、不眠や寝ている時に暴れたり大声を出したりする、レム睡眠行動障害がみられることもあります。

 

【前頭側頭型認知症】

若い人でも発症する認知症で、10年以上かけてゆっくりと進行していきます。

 

<原因>

原因は分かっていませんが、前頭葉と側頭葉の委縮によって発症すると考えられています。

 

<特徴的な症状>

 

①同じ行動を繰り返す

同じ単語を脈絡なく繰り返すことが多くなります。また、決まった時間に決まった行動をとることもあります。この時、外にも出てしまう場合もありますが、徘徊で迷子になるケースは少なく、同じコースを歩いて帰ってきます。その他にも、身体を揺すったり、膝や手、机などを叩き続けたりすることもあります。

 

②異常な食行動

同じ物を食べたがり、同じ物を作り続けることがあります。料理の味付けは異常に甘かったり、濃くなったりもします。また、机の上に置いていた砂糖を一度に全部食べてしまったなどの事例もあります。その他にも、夜に冷蔵庫の中の物を食べあさることもあります。

 

③集中力や自発性がなくなる

じっとしていられず、急に立ち上がりどこかへ行ってしまうこともあります。デイサービスなどで、皆と同じ作業をしていても、飽きてしまい最後までできないこともしばしばみられます。また、身なりを気にしなくなります。その他にも、今まで興味を持っていた物に関心がなくなり、寝てばかりいることもあります。

 

④言葉が出てこない

相手の言葉をオウム返しすることがあります。また、物の名前がや意味する事が分からなくなったり、段々言葉が出なくなることもあります。そのため、会話が苦手になり黙ってしまう場合もあります。

 

⑥反社会的な行動をとる

人格や性格が極端に変わり、清潔保持・衛生管理や柔軟な思考ができなくなります。注意すると怒り、時には暴力を振るうこともあります。また、ルールを無視したり、自分の思うままに行動をとったりすることが多くなります。万引きや痴漢などをして警察に捕まっても、本人には罪悪感がないため反省しないといったケースもあります。その他にも、信号無視をすることがあるため注意が必要です。

 

【認知症の治療と予防】

特効薬といえるものはまだありませんが、症状を遅らせる薬があります。

予防として、脳血管の病気に気をつけることが大切です。高血圧や高脂血症、肥満などにならないように、塩分や脂質の摂り過ぎに注意し適度に運動をしましょう。また、青魚に含まれているDHA・EPA、アマニ油やエゴマ油に含まれているα-リノレン酸、ワインや緑茶に含まれるポリフェノール、大豆製品に含まれるレシチン、納豆に含まれるナットウキナーゼも効果的といわれています。

 

【チェックリスト】

認知症チェックとして代表的なものに長谷川式認知症スケールがあります。これは、医療現場でも活用されています。簡単にできるものですので、ぜひ試してみてください。

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