社会生活技能訓練(SST)とは?基本の流れを紹介。

今回は精神科病院や地域の施設で行われている、「社会生活技能訓練(SST)」について紹介します。

 

<社会生活技能訓練(SST)とは>

社会生活技能訓練(SST:Social Skills Ttaininng)とは、認知行動療法に基づいた精神科リハビリテーション技法です。
1970年代にアメリカのリバーマンによって開発されたSSTですが、日本に導入されたのは1980年代後半、入院生活技能訓練療法として診療報酬化されたのは1994年のことです。
SSTの目的は精神障害者のコミュニケーション行動の改善・修正であり、ロールプレイを通して状況に応じたストレス回避や認知、行動様式を学び日常生活での適応力を高めていきます。

 

<社会生活技能訓練(SST)の流れ>

”訓練”という名前から堅苦しいイメージを持つかと思いますが、実際は和気あいあいとした雰囲気のなかで行われています。
また5~10人程度のグループで行う場合、1セッション60分が目安となります。
SSTの流れは以下の通りです。

①始まりの挨拶
②新しい参加者の紹介・ウォーミングアップ
③SSTの目的と決まりの確認
④前回の宿題の報告
⑤今回の練習課題の決定
⑥ロールプレイによる技能練習
  (1)練習場面と役の設定
  (2)普段通りの対応でのロールプレイ(ドライラン)
  (3)正のフィードバック(褒める)
  (4)改善点をみんなで考える
  (5)見本のロールプレイ(モデリング)
  (6)もう一度練習する
  (7)次回までの宿題を設定する
  (8)一人ずつ感想を述べる
⑦終わりの挨拶

ここでの宿題とは、学んだことを実際の生活場面でも実践できるように自分で課題を表明するもので、報告を通して振り返りも行います。
またロールプレイの練習課題では、忙しそうな人へ声をかける時や誘いを断る時など日常生活でよくある場面が取り扱われます。
精神障害者のなかには、自分の思いを表現することが苦手で対人関係に不安を抱えている人も多いため、正のフィードバックで良かったところを褒めて自信につなげていくのがポイントです。

SSTを行い自分の行動パターンを見直すことで、自分なりのストレスの対処・回避ができるようになり、円滑なコミュニケーションだけでなく病気の再発防止も期待できます。

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