高齢者施設でのインフルエンザ対策3つのポイント

高齢者の場合、インフルエンザの典型的な症状を示さないことが多く、微熱や呼吸器症状が発症に結びついていることがあるため注意が必要です。特に慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、腎機能障害、代謝性疾患、免疫機能不全などの基礎疾患を有する方は症状が重症化しやすい傾向があります。

ここでは、高齢者施設でのインフルエンザ対策を紹介しています。

 

インフルエンザ予防

インフルエンザウイルスは感染力が非常に強いため、ウイルスが施設内に持ち込まないようにすることが施設内感染防止の基本です。

高齢者の場合、合併症を引き起こし、重症化することもあるため、急激な体調変化を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

 

<利用者への対策>

① 外出時、通院時のマスク着用

② 帰園時の手洗い、うがい、手指消毒

③ 健康状態の把握

 

<面会者への対策>

① 流行期は不織布製マスクを着用する

② 以下のような体調不良者の面会を自粛する

・一週間以内に38度以上の発熱のあった方

・全身に倦怠感のある方

・風邪症状のある方

・腹痛、下痢のある方

③体調不良がなくても以下のような方は面会を自粛する

・一週間以内にインフルエンザに感染した方と関わった方

・同居されている方が上記②の症状がある方

・海外から帰国後10日以上経過していない方

③ 入館時、受付にてうがい、手洗い、手指消毒を徹底する

 

<職員への対策>

①日常の健康管理が重要であり、インフルエンザのような症状があった場合には、症状が改善するまで就業を控えることを検討する

②職員へは自分自身で健康管理に留意することを周知する

③咳や熱がある場合は無理に出勤せず、職場への連絡を行った上で受診し、感染が判明した場合は所属長へ相談する

④外出する際は人混みを避けるとともに、手洗い・うがい・不織布製マスクの着用を徹底する

⑤規則正しい生活を心がける

⑥職員、利用者、そのご家族などがインフルエンザと診断された場合には速やかに施設に連絡する

⑦ 施設従業者の予防接種及び健康管理

外部との出入りの機会の多さから施設従業者が最も施設内にウイルスを持ち込む可能性が高く、かつ高危険群に接する可能性があることを認識する

 

インフルエンザにかかったら

施設内に感染が発生した場合には、感染の拡大を可能な限り阻止し、被害を最小限に抑えましょう。

また、合併症にも注意しましょう。高齢者が気をつけるべきインフルエンザの合併症には、肺炎や気管支炎など、主に気道の炎症によるものがあげられます。肺炎は高齢者によく見られ、弱った体に細菌などが入ることによって引き起こされます。また、高齢になればなるほど、肺炎での死亡率は高くなります。万一、インフルエンザにかかってしまったら、こうした合併症へ移行しないよう注意が必要です。

 

<利用者への対応>

①患者本人を隔離する(同室者がいる場合は共に隔離)

②マスク着用・手洗い・アルコール消毒を徹底する

③医師の指示による投薬をする(同室者・職員も対象)

④施設内の清掃、消毒を徹底する

⑤フロア間の往来を禁止する

⑥入浴・レクリエーションのフロア単位での中止を検討する

⑦面会やリハビリを禁止する

⑧体験入居を含む新規入居の受け入れを一時的に中止する

 

<職員がすべきこと>

①感染予防策や感染者が発生した場合、職員間で情報を共有し速やかに対応する

②手洗い・消毒・うがいの励行・マスクの着用を利用者や職員に周知・徹底する

③加湿器を設置するなどして、施設内の湿度を40~60%に保つ

④利用者の健康状態の確認・把握

・定期的なチェックにより常に状態を把握する

・心肺系慢性疾患、糖尿病、腎疾患などをチェックし、罹患時の高危険群について把握する

・利用者が外泊・外出した時は、特に健康状態のチェックを行う

⑤利用者へのワクチンの接種及び一般的な予防の実施

利用者やそのご家族に対して予防接種の意義、有効性、副作用の可能性等を十分に説明し、同意を得た上で予防接種の機会を提供する

※65歳以上の者及び60歳以上65歳未満であって心臓・腎臓もしくは呼吸器の機能またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に一定の障害を有する者に対する予防接種は、予防接種法上、定期接種を要するとして位置づけられています。

⑥ 面会者への対応

・インフルエンザの症状が見られる方の面会者は、各施設とも面会者と利用者の事情を踏まえた上で、必要に応じて制限することも検討する

・流行期には施設内に掲示を行い、面会者に対して理解と協力を求めること

 

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