家族を介護する必要に迫られたときに知っておくべき給付金制度

介護休業給付とは、雇用保険のひとつで、職場復帰を前提として家族を介護するために介護休業を取得した場合に給付金が支給される制度です。

介護は長期間に及ぶものであり、どうやって経済的負担を軽減させるかは誰にとっても気になるところなのではないでしょうか。そこで、役に立つのがこの介護休業給付です。

ここでは、介護休業給付の給付要件や支給額などについて説明しています。 

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介護休業給付の概要

 

介護休業を取得した後に職場復帰することを前提としており、退職が確定もしくは予定されている場合は、給付金支給の対象にならないことがポイントです。また、介護休業期間中に会社から支払われる賃金によって、介護休業給付金の支給額が異なることにも注意してください。

 

介護休業給付の給付要件

以下の条件を満たしている必要があります。

①家族を介護するために介護休業を取得している65歳未満の一般被保険者であること

※65歳以降に介護休業を開始した場合には、高年齢継続被保険者になるため、対象外となります。

※家族には父母だけではなく、配偶者や子ども、祖父母、兄弟なども含まれます。

②休業開始前の1カ月あたりの賃金に対して、80%以上の賃金が支払われていないこと

③介護休業開始前の2年間で、1カ月に11日以上働いた月が12カ月以上あること

※ただし、過去に基本手当の受給資格の決定を受けたことがある場合は、基本手当の受給資格決定を受けた後のものに限ります。

④休業している日数が各支給対象期間ごとに20日以上であること

⑤介護休業の開始予定日から起算して、93日を経過する日を超えて雇用されること

 

 

契約期間が定まっている労働者については、以下の条件を満たしている必要があります。

 

 

①同一事業主の下で1年以上雇用が継続していること

※事業主の命令により一定期間出向している期間があっても、同一事業主の下における雇用として通算される場合があります。

②介護休業開始予定日から起算して93日目を越えて引き続き雇用される見込みがあること

※ただし、契約期間が93日目から1年が経過するまでの間に満了し、更新しないことが明らかな場合は「見込みがない」と判断されます。

 

 

介護休業給付の支給額

原則として、「休業開始時賃金日額×支給日数×40%」となっています。

ただし、介護休業期間中に会社から支払われる賃金によって、介護休業給付金の支給額は異なります。

休業期間中に支払われる賃金が、

40%以下の場合:賃金月額の40%相当額が支給されます。

40%超80%未満の場合:賃金月額の80%相当額と賃金の差額が支給されます。

80%以上の場合:介護休業給付金は支給されません。

 

介護休業期間は原則として最長3カ月間です。介護が必要な対象家族が複数いる場合でも、通算して93日を超えることはできません。また、原則として対象家族1人の介護につき1回の支給ですが、1回目の介護休業が93日以内に終了し、その後、対象家族の病状が悪化するなど変化が生じて、2回目の介護休業を取得した時は、通算93日に達するまで再び受給できます。

 

介護休業期間は、終了の日とされた2週間前までに申し出れば、1回に限り延長することができます。延長できる期間は通算して93日です。この場合は特別な事情は必要ありません。

 

介護休業給付の申請方法

手続きは、勤務先または勤務先を管轄しているハローワークで行います。

雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書および介護休業給付金支給申請書に、介護対象家族の住民票などの必要書類を添付し、介護休業終了翌日から2カ月経過した月の末日までに、提出してください。

 

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