認知症かも?チェックリストで見る認知症の初期症状

みなさん、物忘れと認知症の違いについてご存知でしょうか。物忘れは、忘れていてもヒントを与えれば思い出すことができますが、認知症の場合は思い出すことができません。このように、体験全体が記憶からすっかり抜け落ちてしまうのは、認知症の特徴のひとつです。老化による物忘れと違って認知症は病気です。ここでは、認知症の症状から予防、治療について説明しています。

 

認知症の症状

認知症の症状には、脳細胞が死ぬことで現れる「中核症状」と、中核症状に付随して二次的に現れる「周辺症状」があります。周囲が困る、あるいは病院に対応が求められるのは、とりわけ周辺症状であることが多いです。

 

中核症状とは

・記憶障害 

  例)直前の出来事が思い出せない、約束したこと自体を忘れる

・見当障害 

  例)日時・場所・方向が分からない

・実行障害

  例)料理の手順が分からない

・失語

  例)物の名前が思い出せない

・失行

  例)服の着方を忘れる

・失認

  例)親しい人を認知できない

周辺症状とは

・叫ぶ

・抑うつ状態

・幻覚、妄想

・不穏、せん妄

・昼夜逆転

・不眠

・無気力

・暴言、暴行

・性的逸脱行為

・不潔行為

・徘徊

・夕暮れ症候群

生活歴や病前性格、環境に起因するため、症状は様々です。

早期発見!20項目のチェックリスト

以下は、認知症でよくあらわれる症状です。チェックしてみましょう。

~もの忘れ編~

□電話の相手の名前をすぐに忘れる

□何度も同じことを言う・問う・する

□しまい忘れ・置き忘れが増え、頻繁に探し物をする

□もの盗られ妄想がある

 

~判断・理解力編~

□運転・料理・計算などのミスが増えた

□新しいことを覚えられない

□話のつじつまが合わない

□テレビ番組の内容が理解できない

 

~場所・時間編~

□日時・場所を間違える

□慣れている道でも迷う

 

~人柄の変化編~

□些細なことでも怒りっぽい

□周囲への気遣いがなくなり頑固に変わった

□自分の失敗を人のせいにする

□周囲から「最近、様子がおかしい」と言われる

 

~不安感編~

□一人になると怖がる・寂しがる

□外出時、持ち物を何度も確かめる

□本人が「頭が変になった」と訴える

 

~意欲編~

□身だしなみに無頓着である

□趣味や好きなことに興味を示さない

□ふさぎ込む・億劫がる・嫌がる

 

診断のポイントは、「日常生活の個人的活動を損なうほど、記憶と思考の働きが著明に低下していること」です。日常の変化が気になるのであれば、受診をおすすめします。

尚、専門診療科は、精神科・神経科・神経内科です。

 

予防

認知症の予防には「認知症になりにくい生活を送ること」が大切です。

「脳の状態を良好に保つた5つのポイント」と「認知症で落ちる3つの能力の鍛え方」を紹介します。

 

脳の状態を良好に保つ5つのポイント

①食習慣

野菜・果物(ビタミンC、ビタミンE、βカロチン)、魚(DHA、EPA)、赤ワイン(ポリフェノール)の摂取を心がけましょう。緑黄野菜、青魚、ベリー類をバランスよく食べると良いでしょう。

 

②運動習慣

週3日以上の有酸素運動(水泳、エアロビクスダンス、ウォーキング、サイクリングなど)をしましょう。

 

③対人接触

認知機能を重点的に使うために、人付き合いを大切にしましょう。

 

④知的行動習慣

文章を書く、読書をする、博物館に行く、ゲームをするなど、認知機能を使いましょう。

 

⑤睡眠習慣

起床後2時間以内に太陽の光を浴びるようにしましょう。また、昼寝は30分未満にしましょう。

 

 

認知症で落ちる3つの能力の鍛え方

認知症になる前段階で「エピソード記憶」、「注意分割機能」、「計画力」を鍛えることで発症を遅らせることが可能です。

 

①エピソード記憶

   体験したことを記憶として思い出すことです。

   <鍛え方>

    ・2、3日遅れの日記をつける

    ・レシートを見ずに家計簿をつける

②注意分割機能

   複数の事を同時に行う際に、適切に注意を配る機能のことです。

   <鍛え方>

    ・一度に何品か同時進行で料理する

    ・相手の表情や気持ちを意識して会話をする

 

③計画力

   新しいことをする際に、段取りを考えて実行する能力のことです。

   <鍛え方>

    ・旅行や効率の良い買い物の計画を立てる

    ・囲碁や将棋、麻雀といった頭を使うゲームをする

    ・やり慣れていないことや新しいことをする

治療

薬物療法

現在、特効薬と言えるものはなく、完全に治すのは不可能ですが、抗認知症薬として「ドネぺジル塩酸塩」があります。ドネぺジル塩酸塩には、脳内のアセチルコリンの働きの低下を改善して症状の進行を遅らせる作用があります。ただし、病気の進行を遅らせるものではありません。

 

ケア

認知症である本人もまた、判断力や記憶力、見当識などが低下し、今までできていたことができなくなり、不安になったり混乱したりします。このような時こそ、問題とされる行動やその目的・理由に働きかけるのではなく、本人の思いに働きかけてください。本人が自分らしく生きていけるように、支えましょう。

 

まとめ

認知症は85歳以上の4人に1人が発症する身近な病気でありながら、早期発見・受診にはつながりにくいものです。しかし、早期に適切な対処をすることで症状の進行を抑えたり、予防したりできる可能性が高い病気でもあります。進行する前に早期発見・受診をしましょう。また、既に罹患していたとしても、諦めずに病気とともに生きていくことを大切にしましょう。

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